カフェを開業したいと考えているあなたへ。
カフェの開業を考えたらまずは明確なコンセプトを持つことが不可欠です。コンセプトは、単なるお店のテーマではなく、お客様にどんな体験を提供したいのか、どんな価値を伝えたいのかなど、カフェを経営するうえで、すべての指標となるものです。
私もカフェを経営して4年目になりましたが、開業以来このコンセプトの重要さを痛感してきました。
今回は、カフェのコンセプト設計の基礎から、魅力的なコンセプトの作り方、コンセプトがブレているとどんなことが起こるかを経験をもとに分かりやすく解説していきます。
コンセプト設計の基礎知識
コンセプトとは何か?
ビジネスではよく使用されるこの言葉ですが、コンセプトという言葉を辞書でひくと「全体を貫く新しい観点」などと説明されています。
コンセプトとは、そのカフェの核となる考え方です。
「あなたのカフェは何屋さんですか?」という問いに対する答えであり、お客様に「このカフェはこんなところ」と明確に伝えるためのものです。
実際どのようにビジネスで使われているのか有名な例を見てみましょう。
スターバックス
コンセプト: 「第三の場所」を提供し、人々が集い、交流できる空間を創出する
アップル(Apple)
コンセプト: イノベーションとシンプルさを追求し、人々の生活を豊かにする
ニンテンドースイッチ(Nintendo Switch)
コンセプト: 家庭用ゲーム機と携帯ゲーム機の垣根を越え、いつでもどこでもゲームを楽しめる
どれも有名な企業ですが、コンセプトを見てみると確かに商品や店舗を通して感じる事が出来るコンセプトになっていますよね。
このように成功企業ほど明確なコンセプトを打ち出し、一体感が保たれ消費者に伝わっていると考えられます。
なぜコンセプトが必要なのか?
コンセプトを明確にすることで以下のようなメリットがあります。
- 目標意識の明確化
- 差別化
- 効率的な運営
目標意識の明確化: 何を想い開業をし、何を目指してカフェを運営するのか。
自問自答し方向性を定めることができます。
差別化: 競合他店との違いを明確にし、お客様に選ばれる理由を作ることができます。
他店との違いが明確になることでファン作りにも有効に作用します。
効率的な運営: メニュー開発や内装設計など、様々な決定をスムーズに進めることができます。
コンセプトの要素
魅力的なコンセプトを作るためには、以下の要素を具体的に考えてみましょう。
- ターゲット顧客
- 提供する価値・強み
- 空間デザイン
- メニュー
- 雰囲気
- ターゲット顧客を明確にする
まずは、あなたのカフェに来てほしいお客様像を具体的に描き出しましょう。
年齢だけでなく、趣味、性別、職業、生活スタイルまで明確にしペルソナを設定しましょう - 提供する価値を明確にする
お客様にどんな価値を提供したいのか?
競合他店との違いを際立たせる独自の強みを見つけましょう。 - 空間デザイン
どんな雰囲気の空間を作りたいのか?(内装、照明、音楽、香りなど)
コンセプトに合った空間デザインは、お客様に強い印象を与えます。
コンセプトと一貫した空間づくりを行うことで、メッセージ性が強まります。 - メニュー: どんなメニューを提供したいのか?(フード、ドリンク、季節メニューなど)
コンセプトに沿った素材選び、メニュー構成を考えましょう。
経験上、集客商品と収益商品は別で考えるのが良いです。季節感はドリンクメニューやスイーツメニューで表現することがおススメです。 - 雰囲気: どんな雰囲気の中で過ごしてほしいのか?(賑やか、静か、カジュアル、フォーマルなど)
コンセプトに沿った雰囲気作りはとても重要です。雰囲気に合わせたSNS運用を心掛けましょう。
※トンマナの統一など
コンセプトを具現化する
- ロゴや名付け
お店を象徴するロゴを作成しましょう。
何度も目にするものなのでこだわったデザインにしたいですね。CANVAなどのサービスで自作するか、プロの方にコンセプトを伝え納得出来るロゴを作成しましょう。 - メニューデザイン
メニューの魅力が伝わる事が一番大事です。
定番はやはり写真付きのほうが魅力は伝えやすいです。注文率に影響を及ぼすものなので、お客様の反応を確認しながら、改善を重ねましょう。 - ウェブサイト制作
SNSだけでは伝えきれない情報を存分に伝える事が出来ます。
お店の特徴やコンセプトを伝えるためにもHPはあると便利です。
私はHPを作ったさいには求人の問い合わせが3件もきました。求人にも役立ってくれます。 - SNS活用
飲食店にとっては欠かせない存在になっています。
ビジュアルが活きるInstagramの運用はマストです、しっかりと世界観を作り、魅力を発信していきましょう。
その他、最近ではスレッズも拡散力が高くXと合わせて運用していくこともおススメです。 - 広報活動
常連のお客様がつくまでには時間を要します。
多くの人に知ってもらい、認知を増やすには広告も重要になってきます。
インフルエンサーマーケティングや、グルメアカウントなどが定番ですが、売り上げ目標の2-5%ぐらいを予算にし、常に広告予算は確保するようにしましょう。
まとめ
- コンセプトを明確にすることで目標意識の明確化、他店との差別化、効率的な運営が可能になる。
- 魅力的なコンセプトを作るために、ターゲット顧客、提供する価値・強み、空間デザイン、売れるメニュー、店の雰囲気を明確にする。
カフェのコンセプト設計は、成功するカフェを作るための第一歩です。この記事で紹介した内容を参考に、あなたのカフェだけの魅力的なコンセプトを創出してください。