こんにちは。
ワンオペで10坪17席のカフェを初めて丸3年が経ちました。
今回はその経験をもとに、これは失敗だったなと思う点を振り返っていきたいと思います。
これからカフェ開業、飲食店開業を目指すかたはぜひ参考にして頂ければ幸いです。
立地の選定
ターゲット層に適した場所じゃなかった
はい。
早々に一番ヤバいやつですね。
飲食店の成功は立地で8-9割決まるとも言われるにも関わらず、失敗したと感じてるのはヤバいですよね。
では、何が失敗したと感じる要因になったかを説明したいと思います。
私は独立前は繁華街の中心部のカフェで働いていました。
そのお店はなかなかの繁盛店で、たくさんのお客さんで賑わっていたのですが、お客さんの割合は
20-30代の女性が8割ぐらいを占めるお店でした。
そんな店での勤務経験が長かったこともあり、20-30代女性に受ける店作りが自分の強みでもあると思っていたので、メインのターゲットは2-30代女性にしようと考えていました。
それを前提としてテナント探しを進めていたのですが、なかなか理想的な物件に出会えず
焦っていた私は知り合いの紹介から居抜き物件での開業をスタートしました。
駅からほど近く、学校も幼稚園も近くにあり、マンションも多かったのでメインとなるターゲットは獲得出来るだろうと考えてました。
ライフスタイルを掴めていなかった
いざ蓋を開けてみると、首都圏でもない地域で想像以上に車移動の人口が多く、歩いている人が少ない事がわかりました。
また子育て世代の人口は多くても、一人暮らしをするような場所でもない事がわかり、20代ぐらいの世代の女性が少ない事もリサーチ不足でした。
テナントの家賃は坪12,000円程度と、店前通行人口に比べると割高であり、ワンオペで経営するには家賃比率が大きいという結果に。
前入居者が居る間に間借りでの営業もしましたが、そこまで土地勘が掴めることはありませんでした。
出店するさいには、周辺環境や、ライフスタイルなどを理解する必要があり、土地勘のないエリアではデータだけではなく、リアリティのある情報が重要なんだと反省させられました。
照明
写真映えない問題
店舗の照明、明るさによって店への入店率が変わるだろうという事は考えていたのですが、居抜き店舗でのスタートで資金も抑えたかったので、照明は既存のままで始めました。
ダウンライトで調光可能な照明タイプで、天井に埋め込みタイプのため数を増やすことが出来ず、自然光もあまり入らない店内は暗い状態。
そこで電球のワット数をあげ、明るくする工夫はしてみたのですが、客席で撮影した写真があまりにも映えないという事が発覚しました。
これがかなりマイナスな要因となったなと感じます。
撮影を繰り返すことで、綺麗に撮影出来るポイントは見つかったものの、客席では難しいため、撮影はしてもらえるものの、お客さんが撮影した写真をシェアしてくれるということがあまり生まれませんでした。
感度の高い人ほどInstagramなどの投稿に使う写真は映えている写真しか使いたくないですよね。
料理やスイーツメニューの盛り付けばかりに囚われていましたが、客席で簡単に綺麗な写真が撮れる環境を作るということも、今の時代ではマストだったなと反省しています。
内装設計にはその点も踏まえてお願いすることがおススメです。
開業前の告知
広告費をケチってしまった
最近はInstagramなどで開業前から、開業までのストーリーを公開し、OPEN前にファンを獲得してから始めるというお店も見かけるようになりました。
私は、居抜き店舗での開業ということもあり、工期も短く、準備からOPENまでの期間も短かったため
特にそういったシェアもせず、店頭にフライヤーを貼っていたのみ。
特に広告にお金をかけるという意識もなく、チラシも費用対効果が薄いだろうと、OPENまでに広告宣伝には特に注力しませんでした。
案の定、OPEN後には友人がチラホラと来てくれるのみで、寂しいスタートでした。
以前の入居者も店舗運営をしており、長い間その地で店をやっていたようで、自分なりに大きく変えたつもりの店構えも、変化に気づいてもらえず苦戦しました。
OPEN後につまづくと資金面でかなり苦労します。
開業前にはInstagramでの告知や、チラシ配布など出来ることはやっておく。特にInstagramの投稿はタダで出来るのでやらない手はないですね。
プレオープンとして、店の地域のグルメ系インフルエンサーを集めて宣伝してもらうのも、フォロワー獲得とOPEN後のブーストに繋がると思うのでおススメです。
初期投資の金額
資金の配分が甘かった
開業当初、私の考えでは運転資金さえ潤沢に持っていれば大丈夫だろうという考えがありました。
一般的に飲食店の場合、運転資金の目安は家賃の6か月分と言われますが、私はそれだけでは不安で倍以上の金額を運転資金として残していました。
しかし、いくら運転資金が豊富でも売り上げが低いままでは資金もいずれは無くなります。
いかに売り上げの上がる事に資金を使い、入ってくるお金を大きくしていくかが重要です。
私は開業前の広告などに資金を使わず、運転資金として残す選択をしてしまい、結果、開業後の集客に苦労し、売り上げを上げることに苦戦してしまいました。
カフェの業態で言うと、ブランディングの為にも食器や内装にお金を使いたくなるものですが、それは売り上げ増に繋がるのか?
また、どれぐらいの期間で回収できるのか?
その感覚を持って正しい投資、賢く運転資金を使っていく事が重要です
オリジナル商品
売り上げの柱に
開業からほどなくして、客単価の低いカフェ業態で売り上げを伸ばすのは簡単ではないなと悩んでいたなかで、売り上げを伸ばす策としてオリジナル商品を作り、店内売り上げ以外の売り上げの柱をつくろうと考えました。
もともと、店内で提供していたスイーツメニューを考案してくれていた友人に業務委託というカタチで依頼し、合作でオリジナル商品作りを始めます。
初めは焼き菓子の単品、クッキーの小袋など単価の安い商品を店頭に並べ、販売していたのですが、売れても大きいインパクトにはならず、ロス問題も発生することから単価の高い商品に移行していきました。
クッキーが人気だったこともあり、クッキー缶の製造販売に取り掛かります。
これが想定以上の人気になり、手作りでの製造のため、製造が早々に追いつかなくなり、クッキー缶で売り上げを伸ばすべきだと、OEMでオリジナルのクッキー缶を商品開発して販売強化していく方針に舵を切りました。
マーケットニーズを捉えられてなかった
販売当初のクッキー缶がかなり評価が高かったこともあり、これは絶対に売れるだろうと考えていたクッキー缶。
結論から言うと、かなり苦戦しました。
自前で製造していた頃は人件費も無視したTHEブラック労働での製造状態だったので、売価も低めに設定しており、かなりお買い得商品という状態。
購入してくれたお客さんは口をそろえて「安すぎる!!」といってくれたので、それを信用してOEMで製造しても、販売価格は問題にならないだろうと捉えてしまってました。
これが大きな勘違いとなり、いざOEM商品が完成して販売してみたところ、今まで買ってくれていたお客さんには全く購入してもらえず。
ECサイトもお金をかけてリニューアルし、営業代行も投入して販売しようとしたものの、大きく売り上げを伸ばすことは出来ませんでした。
クオリティには自信を持っていましたが、バイヤーなどの意見を聞くと、商品の比較の際には価格で比べられることが大きく、クッキー缶市場の価格帯よりは高いため、ブランド力がないと高価格帯の商品を販売するのは難しいという事が判明します。
この商品開発には追加融資を受け資金を投入していたため、売り上げを上げるどころか、月の返済金額が大きくなり逆に苦しくなる結果になってしまいました。
自社商品を作って売り上げの柱を作ろうという発想は間違ってなかったと思ってますが、商品を販売するさいには市場調査をもっと慎重に行う必要があるんだと反省です。
売りたいものを売るのか、売れるものを売るのか、この判断は状況によりけりですが、選択を間違わないよう気を付けてください。